中古自転車は、新品よりも安く手に入れることができるため、人気があります。
しかし、外観がきれいで安く手に入れられたとしても、BB(ボトムブラケット)やヘッドパーツ内部でサビが進行している可能性があることをご存知でしょうか?
自転車の内部にサビが蔓延していると、思わぬトラブルや高額な修理代がかかることになり、さらに、命に関わる危険な状態に陥ることもあります。
この記事では、中古自転車を購入する際に注意すべき点や内部のサビについての対策方法についてご紹介します。
見た目が良くても内部はサビだらけ!?
わたしは、ある有名な中古自転車ショップで『ARAYA CXM』という自転車を購入しました。
最初は、状態の良いものを安く手に入れられて満足していたのですが、クランクを交換するためにBB(ボトムブラケット)を外してみたところ、衝撃を受けました。
なんと、BBの内部がサビだらけだったのです…
BBがサビだらけだった!
クランク交換のためBBを外したところ、内部がサビだらけでビックリ!
有名なショップで買ったので、すっかり安心していましたが、さすがにBB内部の状態までは確認してくれていないようですね…
スクエアテーパーBBの外し方については、こちらの記事を参考にしてください。
よく観察すると、BBの中央付近からサビが広がっていることがわかります。
ねじ山も内側のほうにサビが多いですね。
これはおそらく、シートポストの隙間から入った水が原因ではないかと推測できます。
シートポストから水が侵入か
シートポストの隙間から水が入り込み、シートチューブを通ってシェル内に水が入り込み、そこからBBがサビていったと思われます。
試しにシートポストを外してみると、やっぱりサビていました。
グリスアップして対策する
シートポストのサビた部分は、パーツクリーナー等できれいに落としてから、薄くグリスを塗っておけば、今後のサビの進行を防ぐことができます。
シートポストの隙間から水が侵入するのを防ぐため、シートチューブの内側にグリスを塗ります。
シェル内のサビを落とし、内側全体に均等にグリスを塗ることで、サビ対策を施します。
さらに、BB全体にもたっぷりとグリスを塗ることで、シートチューブから入ってくる水にも対処できます。
ヘッドパーツは大丈夫か?
BBがサビだらけだと、ヘッドチューブ内部もサビている可能性があります。
ヘッドチューブは、自転車のフレームを支える重要な部分なので、下手をすると命に関わることにもなりかねません。
フロントフォークを取り外す
早速ハンドルを外してみると、サビたコラムが出現!
ハンドルの外し方については、こちらの記事を参考にしてください。
嫌な予感がしましたが、意外にも内部はきれいでひと安心。
防水シールとたっぷりのグリスが塗られていたおかげで、大事に至らずに済んだようです。
下側もとくに問題なし。
グリスアップする
せっかく外したので、古いグリスを拭き取って掃除します。
ベアリングはパーツクリーナーで洗い流し、細かい汚れを取り除きます。
コラムのサビを取り除き、今後のサビを防ぐために薄くグリスを塗っておきます。
最後に新しいグリスを塗って、組み直せば完了です。
中古の自転車は買っても大丈夫?
今回の記事を見て、少しでも不安に感じたら、中古の自転車を買うのはやめるべきです。
それでも納得した上で中古を買うなら、購入後に一度オーバーホール(分解と清掃)をする必要があります。
わたしの場合は自分で整備できたため、事なきを得ましたが、まったくの初心者の場合は対応が難しく、ショップに依頼すると整備代もかかってしまうため、やはり初心者が中古の自転車を買うのはおすすめできません。
中古自転車の購入を考えている人は、外観が良くても内部はサビだらけの可能性があるかもしれないことを肝に銘じておく必要があります。