今回は、ビンディングペダルの『クリート位置を調整する方法』について紹介していきます。
クリートの位置決めひとつでペダリングが劇的に変わるので、自分にあった位置にしっかりと調整することが大切です。
「拇指球」と「小指球」の位置を把握する
まずは、「拇指球(ぼしきゅう)」と「小指球(しょうしきゅう)」の位置をしっかり把握することから始めます。
拇指球:親指の付け根(第一関節)付近にある膨らみ
小指球:小指の付け根(第一関節)付近にある膨らみ
足の側面が盛り上がっている部分がそれぞれ「拇指球」と「小指球」の位置になります。
実際に触れてみると、「拇指球」と「小指球」の範囲は意外と広くてアバウトです。
指でしっかり探って、膨らみの中心を見つけてください。
クリートの前後位置を決める
クリートの前後位置は、「拇指球」と「小指球」の中間に「ペダル軸」が来るようにセットすることが基本とされています。
ペダル軸を確認
この「ペダルの軸(ペダルシャフト)」に効率よく荷重がかかるようにクリートをセットすることになります。
「拇指球」と「小指球」の中間が目安
「拇指球」と「小指球」の中間がもっとも荷重を掛けやすいとされているので、双方を結んだ線の中心に「ペダル軸」が来るようにします。
クリートの前後位置
肝心のクリート位置は、クリートの中心を「ペダル軸」に合わせてセットします。
具体的な調整手順は、以下で紹介していきます。
クリートを仮止めする
クリートを固定するボルトは、水分などの影響で固着しやすいので、ネジ山にグリスを塗ってから取り付けます。
とりあえず、クリートを仮止めしたら準備完了です。
「拇指球」と「小指球」の位置を探る
シューズの上から指を当て、「拇指球」と「小指球」の位置を探ります。
このとき裸足になると感覚がわかりやすいです。
「拇指球」と「小指球」の位置にマスキングテープを貼ってマーカーで印をつけます。
クリートの位置を合わせる
セオリー通り、「拇指球」と「小指球」を結んだ線の中心に、クリートの中心が来るようにセットします。
あくまで目安です。結構アバウトな位置なので、「拇指球」と「小指球」の間にクリートの中心を収める感じで、少しずつ前後に動かして、ベストな位置を探ることになります。
ペダルに仮付けし、「拇指球」と「小指球」の真下あたりにペダル軸があるか確認します。
続いて、真上から左右の位置と角度を確認。
クランクとシューズ内側のラインが平行になるくらいを目安にします。
クリートの位置が決まったらボルトでしっかり固定します。
もう片方のクリートを取り付ける
はじめはとりあえず、左右対称にセットすれば大丈夫。
しかし、角度の調整をするときは、左右対称にとらわれず、左右の足のクセを柔軟に反映させる必要があります。
左右の足の開き具合は、人によってさまざま。調整後は、必ずしも左右対称である必要はありません。
クリートにマーキングする
クリートの角度を調整する前にマーキングしておくと安心です。
目印を基準に微調整できますし、調整前の位置を見失うこともありません。
また、クリートを交換するときも、あらかじめマーキングしておけば、以前のクリート位置が一目瞭然です。
油性ペンは、パーツクリーナーや無水エタノールなどで簡単に落とせます。
違和感があれば微調整
クリートの前後位置が決まったら、実際に走行し、角度や左右差を調整していきます。
実際に走行したとき、クリートの位置が合っていないと、足首やひざ、ふくらはぎなどに違和感として出てきます。
駐車場や公園など広く安全な場所へ行き、違和感を感じられなくなるまで調整を続けてください。
クリートの角度は、内股気味、外股気味など人によってさまざまです。
必ずしもまっすぐに取り付ける必要はないので、足のクセに合わせて調整を行ってください。
ボルトの緩みチェック
最後にクリートの固定ボルトにマーカーで印を付けておきましょう。
垂直に入れた線が傾いていたらボルトが緩んでいる証拠。
こうしておけば靴底を見るだけでボルトの緩みをひと目で確認できます。
まとめ
- 拇指球と小指球の位置を把握する
- 拇指球と小指球の間にクリートを収める
- ペダル軸に効率よく荷重をかける
- クリート位置は左右で違う
- 足のクセに合わせて微調整する
- クリート位置をマーキングする
正しいペダリングはクリート調整から!
クリートを適切な位置にセッティングすると、ペダルに効率よく力が伝わり、ペダリングの力を無駄なく推進力に変えることができます。
混乱しがちなクリート調整は、「拇指球」と「小指球」の中間にクリートが収まるようにセットすることから始めてみてください。