自転車に乗っていると、サドルやシートポストを交換したり、メンテナンスなどで脱着が必要になることがあります。
そこで今回は、サドル・シートポストの交換・脱着方法をご紹介します。
初心者でもできる手順をわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
サドルの外し方
サドルとシートポストの交換は、六角レンチ1本で行えます。
1本締めの場合
サドルの裏側にあるボルトを六角レンチで緩めることで、サドルの移動や脱着が行なえます。
サドルを外す場合は、ヤグラの上をレールより持ち上げて90度回転させます。
クランプがレールの間に落るタイプなら、そのままサドルを持ち上げるだけで外れます。
それでも外れない場合は、前方にスライドさせるか、上のヤグラごと外しましょう。
2本締めの場合
「2本締め」の場合は、固定しているボルトを2つとも緩めます。
緩めたら前にスライドさせると簡単に外れます。
サドルの割れチェック
サドルのベースが割れているトラブルは、意外と見落としがちです。
時折、サドルの下側からのぞき込んでベースの状態を点検しましょう。
とくに黄色い丸印のあたりが割れたり、きしんだりするので、異音がする場合は要チェックです。
シートポストの外し方
シートポストを外すときは、マーカーなどで目印を付けておくと、メンテナンス後でもすぐに元の位置に戻すことができます。
シートポストを取り外すには、シートクランプの固定ボルトを緩めます。
クイックレバータイプの場合は、レバーを起こすだけで固定を解除できます。
ボルトが緩んだらシートポストを持ち、フレームから抜き取ります。
もし固着しているようであれば、潤滑剤(例: 5-56)を使い、トップチューブをまたいでフレームを挟み、サドルが回る方向に力を加えてみてください。
シートクランプは、シートチューブにはめているだけなので、上に引き抜けば外れます。
洗浄とグリスアップ
ヤグラの部品やシートクランプの古いグリスを、パーツクリーナーなどで洗浄します。
洗浄が終わったら、ボルトや可動部にグリスを塗って組み立てます。
まれにシートチューブのバリで、シートポストが引っかかって傷つくことがあります。
そのときは、やすりなどでバリを取って滑らかにしておきましょう。
シートポストを取り付ける
シートポストを差し込んで、高さや向きを調整したら、固定しましょう。
グリスを塗る
シートクランプの取付部にグリスを塗ると、はめやすくなり、シートチューブを均等に締められます。
さらに、シートチューブ内にもグリスを塗ることで、雨水などの侵入を防げます。
シートポストのフレームに入る部分にも薄くグリスを塗っておきましょう。
カーボン素材のシートポストの場合、規定のトルクで固定しても、動いてしまうことがあるため、カーボン専用のケミカル『フィニッシュライン ファイバーグリップ』を使用します。
高さを調整する
シートポストを仮止めしたら、高さと向きを調整します。
シートポストの高さ調整については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
シートポストには、MAXやMINなどの目盛りが表記されていることがあります。
これらの範囲外で調整・固定すると、損傷の危険があるので、くれぐれもご注意ください。
まっすぐに固定する
後ろから見て、サドルの先端がトップチューブに対してまっすぐになっているか確認します。
位置が決まったら、しっかりとボルトを締めて固定しましょう。
締め付けトルクは、シートクランプに表記されています。
クイックレバータイプの場合
クイックレバータイプの場合、反対側のナットを回して固定力を調整します。
手のひらの腹でレバーを押して、力強く固定します。
サドルを取り付ける
サドルを取り外したときと同様に、ヤグラの上を90度回転させておくとレールが入れやすくなります。
ボルトを軽く回してサドルを仮止めします。
サドルの位置が決まったら、しっかりと締め込みます。
サドルの前後位置や角度の調整方法は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
2本締めのシートポストの場合は、前後のボルトの締め込むバランスで角度が変化するので、微妙な角度調整が可能です。
先端を上げたい場合は、前のボルトを緩め、後ろを締め込むという具合で調整します。
おわりに
サドルとシートポストの構造と仕組みを理解することは、自転車のメンテナンスやカスタマイズに役立ちます。
また、サドル・シートポストの交換ができるようになれば、自転車の乗り心地やポジションを大きく変えることができます。
今回ご紹介した手順を参考に、ぜひチャレンジしてみてください。