「シマノ ホローテックⅡ クランク」という名前を聞くと、複雑な作業を想像してしまい、交換作業をためらってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ご安心ください。適切な工具と正しい手順さえ守れば、誰でも簡単にクランクを交換できます。
実際、このクランクはたった2つのボルトと1つのキャップを外すだけで取り外すことができるんです。
この記事では、ホローテックⅡクランクの脱着手順を写真付きで分かりやすく解説しています。初めての方でも、この手順に沿って作業を進めることで、安心して交換作業を行うことができます。
用意するもの
最低限必要な工具は、「六角レンチ 5mm」と「クランクキャップ外し工具(例:TL-FC16)」の2つです。
シマノ ホローテックⅡ クランクを取り外す手順
クランクを外せると、BBやチェーンリングといった駆動系の細部へアクセスが可能になります。
1. チェーンをインナートップにする
チェーンを「インナートップ」と呼ばれる、最もテンションが低い状態にしておきます。
2. 必要ならペダルを外しておく
クランクを外してしまうと、ペダルを外す際に十分な力が込められず、作業がしにくくなります。
ペダルを外す必要がある場合は、クランクを外す前に済ませておきましょう。
3. 左クランク固定ボルトを緩める
左クランクの根本にある2本の固定ボルトを、5mmの六角レンチで交互に緩めます。ボルトを完全に抜く必要はありません。
4. クランクキャップを外す
クランクキャップ外し工具(TL-FC16など)を使い、左クランクに装着されているキャップを外します。
このキャップは素手で簡単に緩められます。
5. 外れ止めプレートを持ち上げる
左クランクの根元の隙間にマイナスドライバーを差し込み、「外れ止めプレート」を持ち上げます。
このプレートは、左クランクが外れないように銀色のピンで固定されています。そのため、プレートを跳ね上げてピンの引っ掛かりを解除する必要があります。
組み付ける際は、プレートのフックがペダル側に向くように取り付けてください。
6. 左クランクを取り外す
外れ止めプレートが解除されると、このように引き抜くことが可能になります。
7. 右クランクを取り外す
右クランクを外す際は、シャフト部分を手のひらで押すか、プラスチックハンマーで軽く叩いて取り出してください。
ベアリングの軸受は衝撃に弱いので、プラスチックハンマーで叩く際は、優しく叩くように注意しましょう。
8. チェーンをBBに引っ掛ける
右クランクを外すときにチェーンが邪魔になるので、あらかじめチェーンを外しておきます。
まず、リアディレイラーのガイドプレートを押してチェーンをたるませます。
たるんだチェーンをつまんでBBに落としておきます。
9. 右クランクが外れる
これで左右のクランクを取り外すことができました。
シマノ ホローテックⅡ クランクを取り付ける手順
組み付けは外したときと逆の手順で行います。
1. 各部をクリーニング
BB周辺やシャフトに付着した、汚れやホコリ、古いグリスをきれいに拭き取ります。
2. シャフトにグリスを塗る
BBに差し込む前に、シャフト全体にグリスを塗っておきます。
3. 右クランクを装着
右クランクからBBに収めていきます。
差し込んだら、手のひらで軽く叩いて奥までしっかりと押し込みましょう。
4. シャフトの先端にグリスを塗る
出てきたシャフトの先端にもグリスを塗っておきます。
5. 左クランクを装着する
外れ止めプレートが持ち上げっていることを確認してから、左クランクを装着します。
当然ですが、右クランクとは180°対向するように装着してください。
6. クランクキャップを装着する
クランクキャップの締め付けトルクは0.7~1.5Nmですので、直接手で回して締め切るくらいのトルクで十分です。
7. 外れ止めプレートを押し込む
跳ね上がっていた「外れ止めプレート」を指で押し込み、しっかりと噛ませます。
8. 左クランクを固定する
2本のボルトを交互に同じ力でしっかりと締めていきます。片方のボルトだけ強く締めすぎると、緩みの原因になりますので、均等に締め付けることが大切です。
9. ペダルを回して動きを確認する
取り付けが完了したら、クランクを手で回して、スムーズに回転するか確認しましょう。
その後、フロントとリアのギアを全て変速させて、問題なく動くか確認してください。
これでクランクの取り付け作業は完了です。おつかれさまでした。