うっかり自転車のフレームに傷をつけてしまったので、『QUIXX(クイックス)』という傷消し剤を購入。
ネットの声を聞くと賛否両論あるようでしたが、だめ元で使ったところ驚くほど傷がきれいに消えてくれました。
QUIXX(クイックス)とは
『QUIXX』は、塗装面の傷を補修するための傷消し剤です。
- ポリッシュ剤の1液
- 仕上げ用の2液
- 専用クロス×4枚
- 耐水サンドペーパー×4枚
- 日本語の説明書
ドイツ製なので「輸入品」もありますが、「国内正規品」のほうが日本語の説明書が付属するのでおすすめです。
塗装を削らずに埋める
コンパウンドの「塗装を削り取る」とは違い、「傷周辺の塗装を移動させて埋める」という方法で傷を目立たなくさせるようです。
1液の成分が媒介となり、塗装を移動させて平らにします。
薄い線傷に試してみる
まずは、目立たないところの傷に『QUIXX』を試します。
フロントフォークの傷
フロントフォークにできた2本の「浅い線傷」に試します。
ちなみに、上にある「下地が見えている傷」は無理。これは「タッチアップペン」を使って補修するしかありません。
傷の深さ
爪は引っかかりませんが、指の腹で段差を感じます。
QUIXXの使い方
説明書に従って『QUIXX』を施工していきます。
1液を塗る
傷周辺の汚れをきれいにしたら、「ポリッシュ剤 1液」を適量塗ります。
この1液がクリア層を移動させて埋める効果があります。
傷の磨き方
傷に対して垂直に磨いていきます。
クロスで磨く
付属のクロスを指にしっかりと巻き付けて
傷とその周辺部を約1分間磨きます。
磨き1回目
1回目はあまり力を加えず、軽く磨いてみました。
傷が少しぼやけましたが、まだ線が出ているのがわかります。
一度塗れた布で1液を拭き取り、傷が判別できなくなるまで1液の工程を繰り返します。
磨き2回目
1回目を終えて「あぁ、こんなもんか」と思っていましたが…
今度は力強く磨いてみると、見事に傷が消えました!
傷がどこにもない!
「LEDライト」で照らして、くまなく傷を探してみましたが、どこにあるのか全くわかりません。本当に傷が消えてるんです。
仕上げの2液を塗る
1液で磨くと少しだけ白く曇ってしまったので、光沢を出すために2液で磨いていきます。
塗れた布で1液を拭き取ってから2液を塗ります。
傷周辺だけ2液で磨いたら、そこだけテカテカになってしまったので、少し広い範囲に塗りました。
円を描きながら磨く
1液とは違うクロスを使って、円を描きながら磨いていきます。
光沢が出る
近くで見ても傷が全くわからないほどピカピカになりました。これは素直にスゴイ!
爪が引っかかる傷に試す
で、わたしが消したかった本命の傷がこちら↓
『DAHON K3』を折りたたんだときに、うっかりペダルを当ててしまいました…
傷の深さ
傷の深さは、爪で擦ると微かに引っ掛かりを感じ、水で濡らすと見えなくなるレベルです。
ほぼクリア層までの傷ですが、矢印のところはグレーの塗装が少し見えてるかも。
QUIXXで磨く
傷を埋められるのか微妙なラインですが、『QUIXX』を試してみます。
磨き1回目
まずは、軽く1分間磨きましたが、ほぼ変わりません。
磨き2回目
今度は力を込めて磨きます。
上で紹介した「浅い線傷」は2回目で消えてくれましたが、この傷はまだ凹みがわかります。
しかし、だんだんと傷が薄くなっているのを実感。ササクレ状の白い傷が埋まってきて光沢が出てきたので、ほぼ気にならなくなってきています。
磨き3回目
傷は完全に埋まりました。普通に見るぶんには、全くわかりません。
ただ、光の角度によっては、少しクリア層の内部?がシミっぽくなってるかな。
もしかしたら強めに磨き過ぎて、クリアが移動しすぎたのかもしれません。下地がメタリックというのも関係があるかも。どちらにせよ、やりすぎには注意したほうがよさそうです。
また、2液で仕上げると光沢具合は周辺と同じになりました。とくに傷周辺がテカテカになって目立つこともありません。
ちょっとシミっぽくなって完璧ではないですけど、満足のいく出来です。もうちょっと慎重にやればよかったかな。
消せる傷の目安
- 爪に引っかからない極浅い傷◎
- 爪に引っかからないが指の腹で段差を感じる傷◎
- 爪に引っかかるがクリア層までの傷○
「クリア層までの傷か、下地に到達しているか」これが補修できるかの境界線です。クリア層を削ったくらいの白い傷なら消せる見込みがあります。
傷を水で濡らしてみる
あとは傷を水で濡らして、傷が消えるようなら「試してみる価値あり」です。
水で濡らしても傷が見えるほどの深い傷は、「タッチアップペン」での補修が必要になります。
サンドペーパーは必要ないかも
塗装を削る商品じゃないのに「紙ヤスリ」が入ってるのは「?」と感じていました。
そこで説明書をよく読むと「CかDの深い傷のバリを取り除く場合のみサンドペーパーを使用してください」と書いてありました↓
そもそもCとDの下地まで到達している深い傷は「タッチアップペン」で補修してから、『QUIXX』を使うことを推奨しています。
なぜか使用方法に「付属のサンドペーパーを濡らして15秒ほど磨く」と書いてあるのですが、クリア層までの浅い傷A~Bならやらないほうがよいと思います。
まとめ
- 塗装を移動させて傷を埋める
- クリア層までの傷を補修できる
- 浅い傷はわからないレベルに
- 下地が見えている深い傷は不可
- 1液がメイン、2液で鏡面仕上げ
- 1回の施工だけでなく2~3回繰り返す
傷をきれいに埋めることができるのは、クリア層の浅い傷まで。下地が見えている深い傷には期待した効果は得られないと思われます。
1回の施工では、あまり変化はなく、2回、3回と繰り返し根気よく1液の工程を実施すれば効果を実感することができます。ただし、あまり強く磨きするとクリア層の見た目が少しシミっぽくなるので、やりすぎは注意。
完璧じゃないけど期待以上。むき不向きのある商品です。