父が愛用する20インチのシティサイクルのタイヤがバーストしたため、わたしが代わりに交換しました。スポーツバイクのタイヤ交換には慣れているものの、シティサイクルは初めてで少し緊張しました。
今回は、バンドブレーキ(ドラムブレーキ)付きのシティサイクルの後輪タイヤ交換について、写真付きで詳しく解説します。ホームセンターなどでよく見かけるタイプの自転車なので、同じような自転車をお持ちの方の参考になれば嬉しいです。
交換するタイヤを選ぶ
タイヤ側面にある表記を見れば、簡単にタイヤサイズを確認することができます。
- 20×1.75 (インチ) 規格表示
- 47-406 ETRTO (エトルト) 規格表示
「20×1.75」と「47-406」は規格表示が異なるだけで同じサイズを表しています。
20インチには406と451がありますが、シティサイクルならほとんど406でしょう。
1.75はタイヤ幅のこと。1.75インチだから約44mmという意味。47はそのまま47mmです。幅はインチとETRTOで多少違うみたいですね。
購入したタイヤ
今回、わたしが購入したタイヤセットはこちらです。
他にも中国製の安いタイヤセットがありますが、3,000円ちょっと出せば、IRC(井上ゴム工業)製のタイヤが買えるので、Amazonで購入できるタイヤセットの中では、これが一番おすすめです。
リムテープも付いてくる
タイヤ2本、英式チューブ2本、リムテープ2本のセットになります。
タイヤ幅は38mm
タイヤ幅は1.75インチなので、44mmくらいあるはずですが、実際に測ってみると38mmしかありませんでした。
これだと、ひとつ下の20×1.5サイズになりますが…まぁ、問題ないでしょう(笑)。
適切な空気圧
適正空気圧もタイヤの側面に刻印されています。
このタイヤの場合は、300kPa=3気圧と記載されているので、これが適正空気圧になります。
作業前の準備
まず、ギアを一番小さい(重い)ギアに入れ、自転車を逆さまに立ててください。
今回使用する工具は以下の通りです。
- 10mm、14mm、15mmのスパナ
- プラスドライバー
- タイヤレバー2本
ただし、自転車によって使用する工具が異なる場合があります。
前輪の外し方
まずは簡単そうな前輪から外していきます。
今回は後輪だけがバーストしましたが、前輪もひび割れがひどく、バーストするのは時間の問題なので、合わせて交換します。
キャップを外すとナットが現れるので、14mmのスパナを使って回します。
ナットを外すと間にワッシャーがあるので忘れずに。
さらに泥除けのアームを外すと、フックの付いたワッシャーが入っています。
前輪は左右のナットを外すだけなので簡単です。
あとはフォークからホイールを外すだけですが、タイヤに空気がパンパンに入っているとブレーキシューに引っかかって外れないことがあります。
その場合は、タイヤの空気を抜いてぺちゃんこにしてからホイールを外してください。
バンドブレーキの外し方(後輪を外す)
次にやっかいそうな後輪を外していきます。
この自転車にはバンドブレーキ(ドラムブレーキ)というものが付いています。
取り外すネジは上の3箇所です。番号順に外していきましょう。
① ブレーキワイヤーを取り外す
取り外す前に、ワイヤーの固定位置が分かるように白ペンで目印をつけておくと、後で取り付ける際に楽になります。
10mmのスパナでナットを取り外します。
ネジやスプリングは、そのままワイヤーに付けておきます。
戻すときは、スプリングを突起に入れてからネジを取り付けます。
② バンドブレーキ本体をフレームから外す
ネジは2箇所ありますが、まずは下のネジをプラスドライバーで緩めます。
このネジは完全に取り外す必要はなく、緩めるだけで大丈夫です。
上のネジとナットを取り外します。
その後、バンドブレーキ本体を上にずらすと、金具から外れるはずです。
再び取り付けるときは、10mmのスパナでナットを押さえながら、ドライバーでネジを締めてください。
③ 軸にあるナットを取り外す
最後に15mmのスパナで軸にある大きなナットを取り外します。
ナット、ワッシャー、キックスタンドの順で外れます。
これで、バンドブレーキ側の取り外しは完了です。
反対側のナットを外す
変速機側のナットを15mmのスパナで外します。
こちらはナットを外すだけでOK。
U字のパーツは転倒したときに変速機を保護するディレイラーガードです。
後輪を取り外す
ホイールをゆっくり持ち上げて、チェーンにギアが引っ掛からないように指でどかしながら持ち上げると、後輪を外すことができます。
ついでに自転車を綺麗にする
前輪と後輪が外れたら、ついでに自転車を綺麗にしちゃいましょう。
ワコーズのファーミングマルチクリーナーならフレーム、サドル、グリップ、クランク、変速機などあらゆるところを水なしで拭くことができます。
関連記事:水なし洗浄でピカピカ!自転車全体に使用できる泡クリーナー
古いタイヤを取り外す
タイヤレバーを使って、古いタイヤを外します。
リムナットを外す
まず、バルブの付け根にあるリムナットを10mmのスパナで緩めます。
バルブからすべてのパーツを外しておきます。
タイヤレバーを使ってタイヤを外す
タイヤレバーは2本あれば十分です。今回は100円ショップで購入したタイヤレバーを使用しました。
1本のレバーでタイヤをめくり、スポークに引っかけておきます。もう1本のレバーでリムに沿って引けば、簡単にタイヤが外れます。
古いタイヤとチューブを外す
片方のビードが外れたら、内側からチューブのバルブを抜き、古いチューブを取り出します。
次に、もう片方のビードを素手で外して、ホイールからタイヤを取り外します。
リムテープを交換する
リムテープも劣化している可能性があるので、新品に交換しておきましょう。
古いリムテープを剥がす
リムテープとは、リムの内側に貼られているテープのことです。
古いリムテープはハサミやカッターで切って取り除いて問題ありません。リムテープを剥がしたら、リムの内側を布で綺麗に拭いておきましょう。
新しいリムテープを取り付ける
リムテープの穴とホイールのバルブ穴を合わせたら、ズレないようにドライバーを差し込んで固定します。リムテープは、印字がある方を表面にしてください。
テープを両側から均等に伸ばしながらリムにはめていけばOKです。最後に、テープがリムの中央にくるように微調整してください。
新しいタイヤに交換する
交換のコツは、チューブがビードに挟まっていないか、よく確認することです。
タイヤにチューブをおさめる
新しいタイヤのビードの片方をホイールにはめたら、チューブのバルブを差し込み、タイヤの内側に収めます。
このとき、チューブがねじれないように注意してください。チューブがねじれていると、空気を入れたときに破裂することがあります。
バルブからビードを嵌めていく
チューブをすべて収めたら、バルブの部分からビードをはめ込んでいきます。
あとは、両サイドから均等にはめていくだけです。
最後の方は固いと思うので、端から両手を使って押し込んでください。
バルブをタイヤ内部に押し込む
すべてのビードがはまったら、バルブを上に押し込んでください。
これをする理由は、バルブ付近のチューブがビードに挟まっていることが多く、空気を入れたときにパンクしやすいためです。バルブを押し上げることで、チューブがタイヤの内部に正しく収まります。
チューブがはみ出ていないか確認する
最後に、タイヤの側面をめくってビードがチューブを噛んでいないか確認します。
もしビードをめくったときにチューブが見えた場合は、タイヤの内側に押し込んでください。
試しに空気を入れて異常がないか確認する
ホイールをフレームに戻す前に、タイヤに空気を入れて異常がないか確認してください。もし手違いがあった場合、再度作業が必要になるためです。
後輪の戻し方
前輪は簡単なので、後輪を入れるコツだけ紹介したいと思います。
一番小さいギアに引っ掛けるのがコツ
チェーンを一番小さなギアに引っ掛けてからホイールを入れると、簡単に戻せます。
このとき、上のチェーンが邪魔であれば、指で持ち上げておきましょう。
こうすることで、フレームのエンドに自然と入るはずです。
あとは、取り外したときの逆の手順で組み付けていけば完了です。お疲れさまでした。
おわりに
父がホームセンターでタイヤ交換の見積もりをお願いしたところ、前輪は1,000円、後輪は1,500円とのことでした。
しかし、今回使用した工具は『10mm・14mm・15mmのスパナ』『プラスドライバー』『タイヤレバー』だけで、すべて100均で揃えるなら500円程度です。
タイヤ交換は頻繁に行うものではありませんが、一度やってみると意外と簡単で、拍子抜けするかもしれません。2,500円の節約を考えれば、チャレンジしてみるのも悪くないですよ。