これは南アフリカ発のケミカルメーカー『Squirt』のチェーンルブです。
海外では有名らくし、レビュー数と高評価が異常に高かったので、試しに購入してみました。
ドライ系チェーンルブ
容量は120ml、Amazonで1,850円ほどで購入できます。
液体を塗布し、乾燥させると「ドライタイプ」になるため、汚れが付着しにくく、見た目のきれいさを長時間持続することができます。
チェーンルブの塗り方
『Squirt』の効果を最大限に引き出すポイントは、塗り方の手順を守ることです。
1. チェーンを洗浄・脱脂する
古い潤滑剤が残っていると『Squirt』の効果を妨げるので、「ディグリーザー」などを使用して、チェーンをよく洗浄し、脱脂しておきます。
2. 水分をしっかり拭き取る
洗い終わったら、きれいな布などで水分よく拭き取って乾かします。
3. Squirtを塗布する(1回目)
ボトルをよく振ってから、ローラー部分へ1コマずつ塗布していきます。
この段階では、ローラーの上に液体が乗った状態ですが、1回目はこれで大丈夫。
4. クランクを回して馴染ませる
クランクを回転させ、液体を内部に浸透させます。
あとは液体がチェーン細部まで浸透・定着するまで5分間放置します。
5. Squirtを塗布する(2回目)
5分後に2回目を塗布したら、1回目と同様にクランクを回して馴染ませます。
6. はみ出た液体を拭き取る
プレートの外側に付着してしまった液体を布で拭き取ります。
その際、ローラー部分を拭かないように注意してください。
7. 一晩乾燥させる
液体が完全に乾くのを待ちます。最低6時間は乾燥させる必要があるので、ライドの前日までに塗布を済ませておく必要があります。
乾燥後は「粘土状のワックス」へと変化。ドライ系なので、チェーンの表面を触ってもベタベタしません。
ワックスの特徴
このワックスの特徴を紹介していきます。
乾燥後のワックス
白い液体を一晩乾燥させると、クリーム色の固体へと変化します。
感触は「粘土状の緩いワックス」といった感じ。
不思議とあまりベタベタすることはなく、床に塗るワックスと同じ匂いがします。
汚れ具合をチェック
汚れの付着具合を確かめるため、土をかけてみました。
比較のために塗っておいた『ウェット系オイル』には大量の土が付着しています。
一方の『Squirt』は、表面にパラパラ付着している程度。汚れにくさは段違いです。
耐水性が半端ない
土汚れを水で流したところ、『ウェット系オイル』は汚れとともにすべて流れ落ちてしまった。
対して『Squirt』は表面の汚れだけが流れ、ワックスは残ったままの状態。撥水加工のように水をまったく寄せ付けませんでした。
使用感
「ワックスタイプ」なので、回転が重そうなイメージがありましたが、実際に漕いでみると摩擦抵抗が非常に少なくスムーズ。最後まで気持ちよくペダリングできました。
『ウェット系オイル』が「チャラチャラ」回るとしたら、『Squirt』は「ヌチャヌチャ」静かに回るイメージ。明らかに静音性が優れています。
ただ、オイルの様なヌルッとした感覚はないので、この点は好みが分かれるところです。
走行後のチェーン
走行後の「チェーン汚れ」を見ていきます。
パサついた汚れ
ローラーを指で撫でると、多少の黒い汚れは付着します。これは金属同士がこすれると、必ず黒い汚れが発生するので仕方がないものです。
ただ、ウェット系だと、この黒い汚れが溶けて広がるので汚れやすくなりますが、ドライ系ならパサついた汚れのままで済ませることができます。
汚れがカスとなって剥がれ落ちる
乾いたワックスに汚れが付着すると、徐々に粘土状のカスとなって排出される仕組みになっています。
乾燥した黒い汚れ
スプロケットに「乾燥した黒い汚れ」が付着しているのがわかるでしょうか。ドライ系のチェーンルブは大体こうなります。
汚れが乾燥して固まるので、きれいにするにはブラシで擦ったり、ディグリーザーの原液を使って溶かしてやる必要があります。
付着物が付きにくい反面、きれいに掃除するとなると面倒なところがあります。
再塗布のやり方
『Squirt』を再塗布する際、洗浄する必要はありません。
ブラシや布を使って、チェーンやスプロケットに付着した残留物を取り除き、その後『Squirt』を塗布するだけでOKです。
塗布する頻度
『Squirt』を塗布する頻度については、走行条件によって異なります。
商品ページの仕様に「持続距離 約480–640km」と書いてありますが、この数値はあまり参考にせず、チェーンから乾いた音がしてきたら、再塗布するようにしてください。
しばらく使っていると、1回の塗布でどの程度持続するのかがわかるようになってきます。塗布後の音を覚えておき、音に違和感を感じたら塗布するようにします。
まとめ
- ドライ系チェーンルブ
- 乾燥すると粘土状のワックスになる
- 塗り方の手順を守る
- 汚れが付着しにくい
- 付着物がカスとなって落ちる
- 静音性に優れ、滑らかに回転
- 水を全く寄せつけない耐水性
使用するまでに面倒な手順を踏む必要がありますが、一度塗布すれば軽く拭き上げ→再塗布で終わるので簡単です。
汚れが付着してもカスとなって排出される仕組みが面白いですね。いつまでもきれいなチェーンを保つことができるので、海外で高評価なのも頷けます。