クイックリリースは、その名の通りホイールの脱着が簡単に行えるので、メンテナンス時に重宝します。
しかし、よく見るとちゃんと装着できていない人もチラホラ。何となく固定しているという方は、安全のためにも「正しいレバーの締め方」をおさらいしておきましょう!
クイックリリースの扱い方
まずは、クイックリリースの構造と基本的な扱い方を紹介します。
クイックリリースを分解
クイックリリースの構造はいたってシンプル。シャフトの付いたレバーに、ナットとバネだけでなので、バネの向きにだけ注意して取り付けます。
バネの向きに注意
タケノコ型のバネは、内側に小さい方、外側に大い方をセットします。
レバーは回して締めるものではない
レバーを工具のようにグルグルと回しても十分な固定力は得られません。初心者がやりがちな間違いなので注意してください。
クイックリリースの構造を知ろう
クイックリリースは、レバーを倒すことで締め付け、レバーを起こすことで緩みます。
レバーの根元が「カム機構」というものになっていて、レバーを内側に倒すだけで金具が押し込まれ、ホイールを固定します。
レバーの解除と外し方
クイックレバーを解除し、シャフトを抜き取る方法を紹介します。
レバーを解除する
閉じているレバーをゆっくり起こして固定を緩めます。最初の固さを越えれば、あとは簡単に開きます。
シャフトを抜き取る
開いたレバーを押さえながら、反対側のナット側を緩めます。
ナットを外してしまえば、あとはシャフトを抜くだけです。
レバーを取り付ける位置
レバーの位置は、右左どちらに取り付ける?
通常は左側
「ロードバイク」や「クロスバイク」など、一般的な自転車はほとんど左側にレバーがあります。
これは左側から自転車を乗り降りするため、降りてすぐにアクセスできるようになっています。
折りたたみ自転車は右側
DAHONなどの折りたたみ自転車は、右側にレバーがあります。
これは「折りたたみ時の都合」や「マグネット」があるためです。
他にもディスクブレーキ採用車は、例外的に右側に取り付けることがあります。
レバーの締め付け加減
レバーの締め付け加減のコツを紹介します。
90度のときを目安にする
レバーを90度にしたとき、レバーを離しても下に倒れないぎりぎりの締め付け加減が理想です。
ナット側を締めていき、途中でレバーを動かしながら固定力を確認します。
90度あたりまで倒したとき、ナットが手で回らなくなってきたら締めるのをやめます。あとはレバーを奥まで倒せばOK。
レバーを締める強さ
ほどよい固定力が得られたら、レバーを倒して固定します。
指一本で倒せるようなら、確実にトルク不足。
手のひらにレバーの跡が残るくらいの固さが固定の目安。もしくはレバーを起こしたとき、指をしっかりと引っかけて、ようやく開くくらいに締め付けます。
しかし、固いほど良いというわけでもなく、締めすぎるとレバーを起こせなくなります。
前輪のレバー位置
前輪の正しいレバー位置について紹介します。
フォークにレバーを沿わせる
フロントフォークにレバー沿わせることで、障害物に接触してもレバーに引っ掛けて開いてしまう可能性を少なくできます。
向きは、画像左側の後ろ斜めが良いですが、フォークの形状によっては前側でも問題ありません。
フォークにレバーを重ねすぎず、指でレバーを起こせるくらいの余裕を作ります。
レバーを前方に向けるのはダメ
レバーを前方に向けて固定すると、走行中に「枝」や「ツル」といった異物を引っかける可能性があるので危険です。
フォークに当てないようにする
これはフォークにレバーが当たって、レバーが奥まで閉じられていない状態です。また、この位置では指でレバーを起こすこともできません。
レバーが起こせないときは
どうしてもレバーを起こせなくなってしまったら、「タイヤレバー」を使ってコジります。その際、塗装に傷をつけないように注意してください。
後輪のレバー位置
後輪の正しいレバー位置について紹介します。
フレームに沿わせる
基本はシートステーとレバーが平行になるようにセットすると良いです。
フレームに接触したり、レバーの形状によっては、上の画像のようにセットしても問題ありません。
後方に向けてセットするのはダメ
レバーを後方に向けてセットすると、集団走行で後ろのライダーの前輪が引っかかることがあるので危険です。
ハブ軸をエンドの奥まで入れる
ハブ軸がエンドの奥まで、しっかり入っているか確認しましょう。
少しズレただけでも変速が上手くいかなかったり、異音が出ることがあります。
ホイールを外すとき
ホイールを外すときのクイックレバーの操作について紹介します。
クイックを外す必要なし
ホイールを外すときは、クイックリリースを取り外す必要はありません。
前輪を外すとき
前輪には「脱落防止のツメ」が付いているので、そのぶんだけナットを緩める必要があります。
このツメは、誤ってクイックリリースが開いたときに、ホイールが外れないようにするためのものです。
後輪を外すとき
後輪にはツメがないので、レバーを解除するだけでホイールを外すことができます。
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まとめ
- 外した時はバネの向きに注意
- レバーを工具のように回さない
- レバーの位置は通常左側
- フレームに沿わせてレバーを固定
- 締め付け調整は90度を目安にする
- ハブ軸をエンドの奥まで入れる
クイックレバーは手軽なだけに、ちょっと使い方を間違えると、うまく固定できなかったりします。
意外と勘違いしたまま使っていることも多く、雑に扱われている例もあるので、この機会に間違った点がないか、見直してみてください。