注油とグリスアップの目的は“潤滑と防錆”です。
長期にわたってサビを防ぎ、スムーズな動きを得るためには定期的なメンテナンスが重要になってきます。
今回は詳細な注油ポイントを「矢印」を使って紹介していきます!
使用する潤滑剤とグリス
潤滑剤は私のイチオシである「エーゼット CKM-001」を使用します。注油する場所によっては、滴下できるボトルタイプがあると便利。グリスは定番の「フィニッシュライン テフロングリス」を使用。耐久性と耐水性がかなり高いので、長期間潤滑したい場所には最適なグリスです。
注油NGのパーツ
誤った場所に注油しないように、まずは“注油してはいけないパーツ“を紹介します。
リムとニップル
リムに注油する人はいないかもしれませんが、誤ってリムにオイルが付着したら、パーツクリーナーで拭いて脱脂してください。
ニップルに注油するとスポークが緩む原因になるのでやめておきましょう。
ハブ
ハブの内部にオイルが入り込むと、グリスが溶けて流れて出してしまいます。
ヘッドパーツ
ヘッドパーツの中にもグリスが入っているので、注油してはいけません。
ペダルのシャフト
ペダルのシャフトにもベアリングがあるので、注油しないこと。
フリーボディ
スプロケット内部も注油不要。グリスが流れ出てしまいます。
ボトムブラケット
BBには水が入らないようにシールドされています。オイルが染み込みやすい構造なので注油はNG。
チェーンに注油する
チェーン掃除をした後は、コマ1つ1つに注油したいですよね。好みのチェーンルブを使って注油します。
チェーン内部のピンやローラーの奥まで、オイルを浸透させるため、多めに注油して馴染ませてください。
すべてのコマに注油したら2~3分待ちます。その後、ウエスを使って拭き取れば完了。
フロントディレイラーに注油する
よーく見ると支点となる可動部が、“表裏合わせて8箇所”見つかるはずです。その隙間にオイルをしっかり浸透させてください。
リアディレイラーに注油する
リアディレイラーも表裏8箇所の可動部に注油します。
余分なオイルはしっかり拭き取る
注油する量は、パーツ同士が擦れ合う箇所に少量でOK。余分なオイルは、ホコリを吸い寄せ、パーツの消耗に繋がります。あふれた余分なオイルはしっかりと拭き取っておきましょう。
プーリーに注油する
ベアリングタイプなら注油不要
ベアリングの入っているプーリーなら注油は不要です。シールドベアリングはメンテナンス不要なので、歯の汚れだけを拭き取っておけば問題ありません。
ブッシュタイプは注油が必要
安価なディレーラーほど、軸受が“ブッシュ”タイプなことが多いです。つまり注油が必要ってこと。
わからなければ、上の画像を参考に自分のプーリーを確認してみてください。
シフターに注油する
シフトレバーも注油ポイントです。レバーを動かしながら、パーツ同士が擦り合う場所に注油します。
ブレーキに注油する
キャリパーブレーキの注油ポイントは、ピボットと呼ばれるアームの可動部です。あふれたオイルはウエスで拭いておいてください。
シートチューブにグリスを塗る
シートチューブ内部の古いグリスを拭き取り、新しいグリスを塗っておきます。こうすることで隙間から水が入りにくくなり、傷の防止にも繋がります。
ボルトに注油する
各種ボルトの頭部は、水が残ったり、汗などが付着することによって錆びやすくなります。注油しにくい場所なので「綿棒」を使って塗るといいでしょう。
クイックリリースにグリスを塗る
シャフトに薄っすらとグリスを塗り込みます。レバーの動きが渋いときは、カムの部分にも塗っておいてください。
折りたたみ自転車のグリスアップ
グリスアップポイント
折りたたみ自転車には、多くのクイックリリースが使われています。軽い動作で、確実にロックできるように、定期的にグリスアップをしておく必要があります。
レバーにグリスを塗る
画像のように、カムの部分に少量のグリスを塗って、余分なグリスは拭き取っておきます。
ワイヤーに注油する
インナーワイヤー内部への注油は年に1回程度で大丈夫。ワイヤーを緩めて注油するので、ディレイラーの再調整が必要になります。自分で調整できない場合は、無理に注油せず、ショップにお願いしましょう。
注油とグリスアップ
まずは、ブレーキに固定されているワイヤーのボルトを緩めて外します。インナーケーブルが緩んだら、中にオイルを吹き付け、ケーブルを動かして馴染ませてください。
次に、ケーブルのアウター受け付近に、グリスをあふれるほどたっぷりと塗り込みます。これでホコリや泥、水の侵入を防ぐことができます。
ブレーキレバー側からも注油
ブレーキレバー側からも同様にスプレーして、こちらもアウター受けにグリスを塗っておきます。
これをやるだけで驚くほどワイヤーの引きが軽くなります。
ボトルタイプのほうが注油しやすい場合も
リアディレーラーも同様に、ワイヤーを固定しているボルトを緩めて、中のインナーケーブルを露出させます。注油する場所によっては、ボトルタイプの潤滑剤で滴下させたほうが注油しやすいことがあるので、適材適所で使い分けてください。
シフトワイヤーも注油
こちらもシフター側からスプレー&グリスを忘れずに。
まとめ
- 注油の目的は潤滑と防錆
- 注油NGのパーツがある
- 最小限の注油で済ませる
- 余分なオイルは拭き取る
おつかれさまでした。注油作業が完了すれば、再び自転車が軽快な走りを取り戻します。