走行中についた汚れは溜め込まないのが一番。
しかし「洗車」はけっこう敷居が高い。ジャブジャブ洗って拭きとる作業は意外と面倒なもの。
そんなときにおすすめなのが、「水なし洗浄のできるクリーナー」や「パーツクリーナー」などのケミカル類を活用することです。
気がついたときにサッと拭き取るだけで、洗車をせずともキレイな自転車を保つことができます。
今回は個人的に汚れやすいと思うポイントをまとめました。
床にマットを敷く
掃除を始めると「オイルの塊」や「ゴムの削りカス」、「土汚れ」が床に落ちてきます。
床の汚れ防止するためにも「新聞紙」や「レジャーシート」等を敷いてからお手入れを始めましょう!
この画像で使用しているのはマットは、フィニッシュライン『アブソーブイットマット 』のSサイズです。
関連記事:メンテナンスマットで床面の汚れを防ぐ!室内整備の必需品
フレームの掃除
付着した土を払う
フレームに「土」が付着したままクロス等でこすってしまうと、粗めのヤスリでガリガリとボディを削っているのと同じ状態です。
まずは『ハケ』を使って「土やチリ」を払い落としていきます。
フレームの下側はとくに念入りに払っておきましょう。
固着してしまった土は、水で洗い流しながら柔らかいクロスで優しく撫でたほうが安全です。
「水なし洗浄」クリーナーが大活躍!
フレームを拭くときは「マイクロファイバークロス」などの柔らかい布を用意してください。
ワコーズの『マルチフォーミングクリーナー』は“水なし”で汚れを拭き取ることのできるスグレモノ。
スプレーするとモコモコの泡が汚れを浮かしてくれます。
泡が消える前に拭き取ればOK。簡単&スピーディーにクリーニングできるのだ!
アウターケーブルの内側
アウターケーブルとフレームの隙間も拭き上げます。
「土汚れ」が残っている場合は、ちゃんと払っておいてください。
フロントフォークの内側
見落としがちなフロントフォークの内側にも、汚れは溜まっています。
シートステーの裏側
普段は見えない「シートステー」の裏側は、後輪の跳ね上げによる汚れがたまりやすい場所です。
その他パーツ
「マルチフォーミングクリーナー」は、フレーム以外にも、金属、樹脂、ゴムに使用することができます。
サドルやクランク、グリップなど自転車のほとんどのパーツに使えるので1本持っていると非常に役立ちます。
グリップを拭いたら手垢の汚れがこんなにとれました!
コーティング剤を塗る
余裕があれは「コーティング剤」を塗っておこう。
停車中や走行中に付くホコリや汚れからフレームを守ってくれます。
わたしのおすすめはワコーズの「バリアスコート」。
マイクロファイバークロスに少量を吹きつけてからフレームを磨いていってください。
これで汚れがつきにくくなり、今後のメンテナンスが楽になります。
関連記事:自転車にバリアスコートを塗ってプロ施工したような艶を出す!
タイヤの掃除
「マルチフォーミングクリーナー」は、タイヤのクリーニングも可能。
タイヤとフレームはウエスを替える
タイヤについた砂利を拭き取ったウエスでフレームを拭くと傷がつきます。
ウエスは拭く場所で分けなくてはいけません。
ちなみにタイヤは「汚れた布」を使って大丈夫です。
石や金属片が刺さってないか?
タイヤを1周拭きながら、異物が刺さっていないか目視することでパンクを事前に防ぐことができます。
「パーツクリーナー」を活用する
オイル汚れやブレーキシューの削りカスを拭き取るなら「布ウエス」と「パーツクリーナー」がおすすめ。
「パーツクリーナー」には、樹脂やゴムの成分を変質してしまうものもあるのでパーツによっては注意が必要。
そこで『KURE プラスチックセーフ』という樹脂パーツに優しいパーツクリーナーを買っておくと安心です。
クリーナーはウエスに吹く
「パーツクリーナー」は、余計なところに飛び散らないよう「布ウエス」に直接スプレーしてください。
リムの掃除
リムに油性の汚れがあるとブレーキの効きが弱まります。
「パーツクリーナー」がタイヤに掛からないよう、布ウエスに染み込ませてから拭き取ります。
ついでにスポークの汚れも丁寧に拭き取っておこう。
ブレーキシューの掃除
ブレーキシューの削りカスも同様に「パーツクリーナー」で落とします。
このとき「シューの減り」や「異物」のチェックもしてください。
黒ずみが激しいときは
ゴムの付着が激しいときは、ホーザンの『ラバー砥石 K-141』を使うのがおすすめ。
金属片を取り除こう
もしもシューに金属片が刺さっているのを見つけたら「千枚通し」などで取り除いておくこと。
また、キィーという音鳴りがする場合は「焼き付き」を起こしているので「紙やすり」で少し表面を削ってやりましょう。
パーツクリーナーの使用は適材適所
チェーンリングのオイル汚れは、洗剤で洗ってもあまりきれいになりません。
こちらも「パーツクリーナー」を使用すればすぐに落とすことができます。
同様に「クイックの軸部分」や「ハブの外回り」もきれいになります。
ただし、「ボトムブラケット」や「ハブの内部」などベアリングのあるところに「パーツクリーナー」を吹くのは厳禁。
チェーンの掃除
硬質なチェーンは、古いオイルごとゴシゴシ拭き取ってOK。できるだけ汚れを拭き取っておこう。
汚れが激しいときは
汚れが激しいチェーンは「パーツクリーナー」を吹くと汚れがみるみる落ちていきます。
プーリーの掃除
高速で回転する「プーリー」に溜まった汚れをそのままにしておくと「摩耗の原因」になるので、こまめな掃除を心がけたい。
歯車に「布ウエス」当てて指で摘み、クランクをゆっくりと回転させれば汚れがごっそり落とせます。
または「マイナスドライバー」を使うと簡単に汚れを削ぎ落とすことができます。
細かい箇所は「歯ブラシ」を使ってもいい。
最後にプーリーの「プレート」や「リアディレーラー」のオイル汚れもきれいに拭き取っておこう。
ボルトの掃除も忘れずに
ボトルケージのボルトには、汗やドリンクの水滴による汚れが溜まりやすい。
放っておくと錆びてしまうので、綿棒に「潤滑剤」を染み込ませてから、ボルトを拭いて防錆しておこう。
まとめ
- 床にマットを敷いてから始める
- 土やホコリはハケで払う
- 水なしクリーナーが大活躍
- パーツクリーナーは適材適所
- ウエスは場所によって使い分ける
- プーリーはこまめに掃除する
- 仕上げにコーティング剤を塗る
「洗車」と違って「ケミカル類」を使えば前準備もさほど必要なく、「ちょっとキレイにするか!」という気分で掃除を始めることができます。(←これが大切!)
またマメにお手入れすることでトラブルの原因に気づきやすく、早期に発見することもできたりします。