
今回は、「キャリパーブレーキの外し方」と「バネのサビを落とす方法」を紹介していきます。
大掛かりな分解をしなくても、よほどサビがひどい状態でなければ各部の掃除だけでキレイな姿を取り戻すことができます。
今回使用したアイテム

キャリパーブレーキの取り外しとサビ取りに使用したアイテムがこちら。
- アーレンキー9本組セット
- ミニドライバーセット
- サビ取り剤
- 防錆オイル
- 潤滑剤
- 金属磨き(ピカール)
- プレミアムグリス
- パーツトレー
- ステンレストレー
- 歯ブラシ
- 綿棒
- 布(ウエス)
キャリパーブレーキの外し方

まず、クイックレバーを解除してアームを開きます。

ブレーキワイヤーを止めているボルトを5mmのアーレンキーで緩め、ワイヤーを外します。

ワイヤーを外すとき、スクリュータイプのエンドキャップなら何度でも脱着できるから便利。

どうしてもエンドキャップを外したくない場合は、上にあるアジャスターボルトを外してしまえば、エンドキャップごと抜けるはず。

前輪側は、フォークの後ろから5mmのアーレンキーを差し込んで緩めます。

「長めのナット」で固定されていて、間に「ギザギザのワッシャー」が入っています。
※ブレーキによってパーツの構成は異なります。

以上の手順を踏めば、比較的簡単に外すことができます。
ブレーキシューを外す
ブレーキシューに「サビ取り剤」や「油分」がつかないように外しておきます。

カートリッジタイプの場合は、側面にある小さなボルトを2.5mmのアーレンキーで緩めます。

あとはシューをスライドさせて外すだけ。
カートリッジごと外すと角度の調整が面倒なので、今回は外しません。

シューを外す機会はなかなか無いと思うので、シューの状態をチェックしておきましょう。
シューに金属片が刺さっていれば取り除き、表面がテカテカになっていたら「紙やすり」で少し削ってやるとブレーキの効きが蘇ります。
関連記事:ブレーキシューをヤスリで整えて本来の効きを取り戻す!
細かい汚れを落とす

はじめに乾いた「歯ブラシ」を使って細かい汚れを払い落とします。

また、ウエスや綿棒で主要な汚れを拭き取ておきましょう。
これだけでもかなりキレイになります。
バネのサビを取る

つぎに「バネ」のサビを落としていきます。

市販の「サビ取り剤」を使用します。

このタイプの「サビ取り剤」は、サビに反応して紫色に変化し、化学反応でサビを取り去るものが多いです。
金属のワイヤーブラシでこすると、周囲の塗装に傷が付きそうだったので「歯ブラシ」を使用しています。

頑固なサビは「マイナスドライバー」で丁寧に削ぎ落とします。

隙間は「千枚通し」でこするとよく落ちます。

サビが落ちたら、水をかけて残った薬剤を洗い流します。

水滴を残さないようにしっかり拭き、乾燥させます。
ビフォーアフター

茶色いサビが取れて、だいぶキレイになりました。
しかし、サビの侵食によって出来た凹凸は、どんな薬品を使っても落とせません。

さらに見栄えをよくするため、金属磨きのピカールで磨き上げます。

凹凸が目立たなくなって、銀色の輝きが戻りました。

ボルトのサビもご覧の通りピカピカです。
サビ止めを塗る

金属は一旦サビると、またすぐにサビてしまうので、「防錆剤」を塗ってサビの再発を防止します。

バネに「防錆剤」を塗布し、塗り残しがないようにバネの隅々まで塗り込みます。

他にもボルトなど、サビの発生していた場所すべてに塗っておくとよいでしょう。
キャリパーブレーキの注油箇所

キャリパーブレーキの注油する箇所は、アームが稼働する部分の2箇所です。
しかし、最近のキャリパーブレーキは、ここにベアリングを使っていたりするので、下手に潤滑剤をスプレーすると中のグリスを溶かしてしまい動きが悪くなります。
ブレーキの仕様がよくわからないのであれば、スプレーせず、そのままにしておくのが無難です。
キャリパーブレーキを取り付ける

キャリパーブレーキを取り付ける前に、フレームの汚れをキレイに拭き取ります。

中央の長いボルトに「グリス」を塗ります。

あとは逆の手順で取り付けて行くだけ。
滑り止めのギザギザしたワッシャーを挟むのを忘れずに。

ブレーキ本体を中心に合わせて固定します。
あとから微調整できるので、おおまかな位置でOK。

アームの開きを手で抑え、ワイヤーに残っている「取り付け跡」を目安にワイヤーを固定します。

ブレーキレバーの引きしろをチェックしながら、上にある「アジャスターボルト」でアームの開き具合を微調整します。

つぎにブレーキレバーを強く握りながら、左右のシューがリムに均等に当たるように調整します。
※調整ボルトの位置はブレーキによって異なります。
以上で、キャリパーブレーキの取り付けは完了です。
まとめ
- ブレーキ本体は比較的簡単に外せる
- サビが深くなる前に処理する
- 一度サビるとサビやすくなる
- 潤滑剤はグリスを溶かす
- シューのチェックも忘れずに
面倒な分解をしなくても、取り外して掃除するだけでキレイな姿を取り戻すことができました。
何年もつけっぱなしのキャリパーブレーキがあったら、この記事を参考にして掃除にチャレンジしてみてください。
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