一般的な「スクエアタイプ」のクランクの脱着方法を紹介します。
クランクを外すのはとても難しそうに感じますが、実際にやってみるとそうでもない。
専用ツールこそ必要ですが、脱着作業そのものは意外と簡単に行なえます。
使用する工具
クランクを外すには、『コッタレス抜き』という専用の工具が必要です。
が、その専用工具さえあれば脱着そのものはそれほど難しくありません。
作業前の準備
クランクを取り外す前に、いくつかの準備をしておくと、作業効率が上がります。
ペダルを外す
新しいクランクにペダルを取り付ける場合は、最初にペダルを外しておく必要があります。
クランクを外した後では十分な力を込めることができないため、ペダルを外せなくなります。
一番小さいギアに入れる
チェーンのテンションを下げるために、スプロケットをトップ(一番小さいギア)に入れます。
チェーンリングも一番小さいギアに入れます。
布を巻いて保護する
作業に慣れていない人は、フレームの塗装を傷つけないように、チェーンステーからBB(ボトムブラケット)にかけて、布などを巻いて保護しておくと安心です。
クランクを外す手順
コッタレス抜きの使い方を覚えて、効率よく作業を進めましょう!
1. ボルトを外す
はじめにクランクの中心にあるボルト(フィキシングボルト)を8mmの六角レンチで外します。
ボルトが外れてもクランクはまだ固定された状態です。
ここにコッタレス抜きのネジ部分を取り付けます。
2. コッタレス抜きを取り付ける
コッタレス抜きは、スクエアタイプのクランクを取り外すための専用工具です。
2層構造になっていで、AとBの部分が別々に動く構造になっています。
Aの部分をクランクに固定し、Bを回転させると、Cが動いてクランクを押し出す仕組みになっています。
コッタレス抜きを取り付ける前に、中心にある軸を内側に引っ込めた状態にしておきます。
まずは、手で締められるところまで締め込みます。
六角部をモンキーレンチでくわえて、適度にキュッと締め込みます。
ねじ切れるほど強く締める必要はありません。
3. ハンドルを締め込む
つぎに、手前のハンドルを回して、ボルトの先端が奥に当たるまで締め込みます。
手で大まかに締めたら、クランクを片手で保持し、もう一方の手でモンキーレンチを握り、ハンドルをさらに締め込んでいきます。
4. クランクを取り外す
そのまま締め込んでいくと、クランクが外側にずれ始め、やがてスッポリ抜けます。
クランクをシャフトから抜く際、リアディレイラーのガイドプレートを押すと、チェーンがたるむので安全に外せます。
外したチェーンはBBにそっと引っ掛けておきましょう。
左側のクランクも同じように取り外します。
クランクを取り付ける
コッタレス抜きは外すときに使う工具なので、クランクを取り付けるときは不要です。
1. シャフトを掃除する
クランクシャフトの古いグリスを拭き取ります。
固着や音鳴りを防ぐため、新しいグリスを塗ります。
2. クランクをシャフトにはめる
チェーンリングの一番小さいギアにチェーンを引っ掛けたら、クランクをシャフトにはめます。
このときも、リアディレイラーのガイドプレートを押しながら取り付けると作業がしやすいです。
3. ボルトを締め込む
フィキシングボルトを取り付けます。
クランクを取り付けるときは、8mmの六角レンチでボルトを締め込むだけで固定できます。
ボルトが回らなくなって、クランクがもう入らなくなるところまで、しっかり締め込みます。
4. 左右非対称に固定する
左側のクランクを取り付ける際は、左右非対称になるように取り付けます。
思いのほか、別角度で取り付けてしまうことがあるので気をつけてください。
コッタレス抜きの豆知識
キャップの付いているクランクの場合は、マイナスドライバーでこじって外します。
すると、「六角タイプ」のフィキシングボルトが出現!
でも慌てなくて大丈夫。
こんなときは、コッタレス抜き工具にあるソケットを使えば外せます。
反対側が14mmのソケットになっているので、これでクランクの脱着が可能になります。
これを覚えておけば、六角ボルトだったときでも慌てずに済みます。
おわりに
クランクの脱着ができるようになると、脱ビギナーという気がしてうれしくなってきますよね。
クロスバイクやロードバイクでも、まだまだスクエアタイプのクランクを使用していることが多いので、外す機会も多いかと思います。
また、クランク交換はもとより、チェーンリングの交換や、BB周りのメンテナンスでもクランクを外す必要があるため、しっかりとマスターしておきたい作業の一つでもあります。