スクエアテーパー型クランクの脱着は一見難しそうに思えますが、実は簡単です。
専用工具は必要ですが、作業自体は意外とシンプルです。
以下に、一般的な「スクエアタイプ」クランクの脱着手順を紹介します。
使用する道具
スクエアテーパー型のクランクを外すには、「コッタレス抜き」という工具が必須です。
さらに、ペダルを外すためにペダルレンチも必要となります。
モンキーレンチのサイズは、250mm~300mmのものが使いやすいでしょう。
先にペダルを外しておく
新しいクランクにペダルを取り付ける前に、まずペダルを外しておく必要があります。
クランクを外した後では、ペダルを外すのに必要な力が加えられず、ペダルが外れなくなる可能性があるからです。
スクエアテーパー型クランクを取り外す手順
コッタレス抜きの使い方を覚えて、効率よく作業を進めましょう!
1. フィキシングボルトを外す
はじめにクランクの中心にあるボルト(フィキシングボルト)を8mmの六角レンチで緩めます。矢印通りにレンチを回せば外れます。
ボルトが外れてもクランクはまだ固定された状態です。
ここに「コッタレス抜き工具」のネジ部分を取り付けます。
2. コッタレス抜きの仕組み
先にコッタレス抜き工具の仕組みを説明しておきます。
コッタレス抜きは、2層構造になっていて、AとBの部分が別々に動く構造になっています。
Aの部分をクランクに固定し、Bを回転させると、Cが動いてクランクを押し出す仕組みになっています。
3. コッタレス抜きを取り付ける
ボルトを外したネジ穴にコッタレス抜き工具を取り付けます。
このとき、中心にある軸を内側に引っ込めた状態にしてから取り付けます。
軸が出ている状態で取り付けると、ネジ山が浅く掛かり、強い力が加わったときに破損する恐れがあります。
次に、手前のハンドルを手で回せるところまでねじ込みます。
4. モンキーレンチで締める
ある程度締まったら、クランクを片手で保持し、もう一方の手でモンキーレンチを握り、ハンドルをさらに締め込んでいきます。
5. クランクが外れる
そのまま締め込んでいくと、クランクが外側にずれ始め、やがてポロッと抜け落ちます。
クランクをシャフトから抜く際、リアディレイラーのガイドプレートを押すと、チェーンがたるむので安全に外すことができます。
外したチェーンはBBにそっと引っ掛けておきましょう。先にチェーンを外してから作業を進めるのも良い方法です。
6. 左クランクを取り外す
左クランクも同様の手順で取り外します。
これで左右のクランクを外すことができました。
スクエアテーパー型クランクの取り付け方
コッタレス抜きは外すときに使う工具なので、クランクを取り付けるときは不要です。
1. シャフトを掃除する
シャフトの古いグリスをしっかりと拭き取ります。
固着や音鳴りを防ぐため、新しいグリスを塗ります。
2. クランクをシャフトにはめる
リアディレイラーのガイドプレートを押し、チェーンをチェーンリングに掛けたら、クランクをシャフトにしっかりと差し込んでください。
3. フィキシングボルトを締める
フィキシングボルトを取り付けます。このボルトを締めることで、クランクがシャフトの奥に押し込まれる仕組みになっています。
ボルトが動かなくなるまで、しっかりと締め込んでください。
4. クランクを対称に固定する
左右のクランクは反対方向に水平になるように取り付けます。間違えると、またコッタレス抜きを使うことになるので、よく確認してから取り付けましょう。
5. 最後に変速を確認する
取り付け後、ペダルを回して変速がスムーズに行われるか確認しましょう。
もし変速に問題がある場合は、リアディレイラーの調整が必要かもしれません。
それでも改善されない、またはチェーンが頻繁に脱落する場合は、クランクが奥くまで入りきっていない可能性があります。
関連記事:【初心者向け】リアディレイラーの調整方法を画像つきで解説!
おわりに
クランクの脱着ができるようになると、脱ビギナーという気がしてうれしくなってきますよね。
クロスバイクやロードバイクでも、まだまだスクエアタイプのクランクを使用していることが多いので、外す機会も多いかと思います。
また、クランク交換はもとより、チェーンリングの交換や、BB周りのメンテナンスでもクランクを外す必要があるため、しっかりとマスターしておきたい作業の一つでもあります。