一見すると難しそうに見えるリアディレイラーの調整ですが、実は一つ一つの行程がとてもシンプル。段階を踏めば誰でも簡単にできるようになります。とくにシマノ製の場合は、マニュアルを忠実に守ればいいだけなんです。
正しい調整の仕方は、シマノのウェブサイトからダウンロードできます。今回、私がそのマニュアルを要約して、画像つきで簡単に紹介しちゃいます!いくつかのポイントさえ押さえれば、あとはドライバー1本で簡単に調整できますよ!
トップ側・ロー側のプーリー位置を調整する
トップ側の調整
- フロントをアウターに入れる
- スプロケットをトップに入れる
- 上部のボルトでプーリー位置を調整
まず、クランクがダブルギアの場合、チェーンをアウター(最大ギア)に入れてください。次にスプロケットをトップ(最小ギア)に入れます。
リア変速機にある2つのボルトのうち、“上部のボルト”で調整します。調整するプーリ位置は、下の「プーリー位置はココに合わせる!」を参考にしてください。
ロー側の調整
- フロントをインナーに入れる
- スプロケットをローに入れる
- 下部のボルトでプーリー位置を調整
トップの調整が終わったら、クランクのギアをインナー(最小ギア)に入れます。スプロケットはロー(最大ギア)に入れてください。今度は、“下部のボルト”でプーリー位置を調整します。
プーリー位置はココに合わせる!
プーリーとは、リア変速機にある2つの歯車のこと。上部のプーリーを「ガイドプーリー」、下部を「テンションプーリー」と呼びます。
トップ側とロー側のプーリー位置を拡大しました。上部にあるガイドプーリーとスプロケットを画像の点線に来るように合わせてください。
- トップ側:最小スプロケットの外側とプーリーの中心を合わせる
- ロー側:最大スプロケットとプーリーの中心を合わせる
Bテンションボルトの調整も忘れずに!
Bテンションボルトは、ディレイラーハンガー下のツメを押す場所にあります。おもにスプロケットの交換をして、ギアの大きさが変わったときに調整します。
このボルトでリア変速機の内部にあるスプリングのテンションを変えることができます。そして、ここを調整すると、スプロケットとガイドプーリーの距離が変化します。
Bテンションの調整方法
- フロントをインナーに入れる
- スプロケットをトップに入れる
- クランクを逆回転させる
- チェーンづまりしない範囲でBテンションボルトを調整
- トップの調整が終わったらスプロケットをローに入れる
- 同様に調整して完了
まず、チェーンをクランクのインナー(最小ギア)に入れて、スプロケットもトップ(最小ギア)にセットします。
クランクを“逆回転”させて、チェーンづまりしない範囲でBテンションボルトを微調整します。なるべくプーリーとスプロケットを近づけ、チェーンがスムーズに回る位置をみつけてくだい。
次に、クランク側はインナーのまま、スプロケットをロー(最大ギア)にセットして同様に調整します。
- クランクは逆回転させる
- チェーンづまりしない範囲で調整
- なるべくプーリーとスプロケットを近づける
シフターと変速機をシンクロさせる!
最後にシフターとリア変速機をシンクロさせるため、ワイヤーテンションを調整します。レバー操作でうまく変速できて初めて完了となります。
シフターとのシンクロ調整には、リア変速機とアウターケーブルの繋ぎ目にある“ケーブルアジャストボルト”を使用します。
画像の説明にはありませんが、クランクのフロントはアウター(最大ギア)に入れておいてください。
- チェーンをスプロケットの2枚目に入れる
- シフトレバーを遊び分だけ押してクランクを回す
- チェーンが3枚目に接触して音鳴りする状態がベスト!
画像のシフターはフラットバー用ですが、ロードバイクのSTIレバーも同様に、遊び分だけレバーを動かします。チェーンが3枚目のギアに触れて音鳴りする状態が理想。3枚目に切り替わってしまう場合や音鳴りしない場合は、ケーブルアジャストボルトで調整します。
- チェーンをスプロケットの2枚目に入れる
- シフトレバーを遊び分だけ押す
- 3枚目にチェーンが触れて音鳴りするように調整
おわりに
リア変速機の調整はあまり難しく考えず、以下のように2つに分けて考えると簡単。
- 変速機そのものを調整
- 変速機とシフターをシンクロさせる
あとは最初に述べたとおり、シマノ製の変速機はマニュアル通りに設定するのが正解です。まずはシマノのウェブサイトからお使いの型番で検索してマニュアルをダウンロードしてみましょう。その手順通りに段階を踏めばできるようになるはずです。
今回使用した工具は、プラスドライバーのみ。あとはメンテナンススタンドがあると作業効率が格段に上がりるので、無ければ用意しておきましょう。