『シマノ105 FH-5800』の玉当たり調整手順を紹介します。
新品の105ハブは、玉押しがキツめに調整せれているので全然回りません。
適切な玉当たり調整を行えば見違えるように回転が良くなります。
使用する道具一覧
今回使用する道具は以下の通り。
- ハブコーンレンチ 15mm 1本
- 六角レンチ 5mm 1本
- 先曲がりピンセット
- ベアリング球を入れる容器
- ハブ用のグリス
- パーツクリーナー
- ペーパーウエス
- 100均の注射器
- 綿棒
ハブコーンレンチは厚さ2mmのものを用意します。
厚い普通のレンチはナットに嵌りません。
5mmの六角レンチは強いトルクが掛けられるように柄の長いものを用意してください。
ロックナットを外す
まず反フリー側のロックナットを外します。
工具はハブコーンレンチ15mmと六角レンチ5mmを各1本づつ使用します。
初期のロックナットは固めに締め込まれているのでグッと力を込めましょう。
ちなみにハブレンチは「ペドロス」を使用してます。
握りやすくて滑りにくいからおすすめです。
ロックナットを外すと“玉押し”が現れます。
玉押しを外す
玉押しは素手で簡単に緩められます。
ハブ軸を抜く
フリー側から長いボルト(ハブ軸)をゆっくり引き抜きます。
ベアリング球を取り出す
内側にあるベアリングの鋼球(こうきゅう)を取り出していきます。
先曲がりピンセットを使うと簡単に鋼球を掴めます。
鋼球が内側に落ちてしまっても慌てずに。
自然に落ちてこない場合は綿棒等で押し出してあげましょう。
無くさないように容器に入れる
鋼球は左右に9個ずつ入っています。
とても転がりやすいので無くさないように容器に入れましょう。
パーツクリーナーで洗浄する
適当な容器に移したらパーツクリーナーで洗浄します。
ついでにハブ軸、玉押しに付いた古いグリスもウエスで拭き取っておきましょう。
玉受けを綺麗にする
ハブ内部の玉受けに残ったグリスは綿棒できれいにします。
新しいグリスを注入する
画像の注射器は100均で購入したもの。
本来は液体とかを計る注入型の計量器。
化粧品売り場に売っています。
これにハブ用グリスを詰め込みます。
グリスは「モチュール テックグリス300」を使用。
気に入って使用しているグリスです。
回転系の整備はこのグリスで済ませています。
掃除した玉受けにたっぷりと新しいグリスを注入します。
ほんとはグリスガンとかあればいいんですけど、これで十分に事足ります。
鋼球を玉受けに戻す
綺麗にした鋼球はツルツル滑るので、あらかじめグリスを絡ませておきます。
こうすることでピンセットで摘みやすく、玉受けに戻したあと落ちにくくなります。
鋼球を取り出したときと同様に、先曲がりピンセットで戻すと楽チンです。
ハブ軸を戻す
ハブ軸をゆっくり入れて、玉押しを指で軽く締めます。
ハブ軸、玉押し側にもグリスを塗るのを忘れずに。
ここから先が「玉当たり調整」になります。
玉当たり調整のコツ
玉押しの微調整
玉押しをガタがでないギリギリのところまで追い込んで締めます。
ベアリングがゴロゴロして回転に抵抗を感じるのは締めすぎです。
ガタつき・ゴロつきを確認する
ハブの両端を持ち、揺すったり、回転させてガタつき・ゴロつきを確認します。
ガタつくのとゴロゴロするのでは、若干ゴロゴロするほうを優先します。
「ガタは絶対にNG」です。
なぜなら隙間があると走行中、段差などの衝撃で玉押しに傷が入って最悪破損します。
いわゆる“虫食い”です。
詳しくは「玉押し 虫食い」で画像検索してください。
ロックナットを取り付ける
玉押しの位置が決まったらロックナットで固定します。
さて、ここからが本番です。
玉当たり調整は「玉押しを動かさずにロックナットで固定するのが難しい作業」なのです。
ガタつかず、ゴロゴロしない玉押しの位置を探すのは結構簡単です。
ここだ!という位置がすぐに見つかるでしょう。
しかし、その玉押し位置で固定するのが難しい・・
ロックナットを仮締めする
玉押しを15mmのハブコーンレンチで固定。
動かしてはいけません。
5mmの六角レンチで仮締めします。
いきなり強く締めないように。
ガタつきを確認する
ハブ軸を両手でしっかり持ってガタつきを確認します。
上下左右へと強めに揺さぶります。
少しでも隙間(ガタ)を感じたらやり直しです。
ゴロつきを確認する
指でハブ軸をクリクリ動かしたり、ホイールを回転させてゴロゴロしないか確認します。
回転に重い抵抗があるならやり直しです。
何度もやり直す
玉当たり調整は一発で決まるものではありません。
ベストな位置に固定できるまで何度も繰り返しやり直しましょう。
初心者の場合、玉当たり調整だけで30分から1時間ちょっとは掛かるとみてください。
ロックナットを本締めして完了
満足のいく位置に固定できたら、ロックナットを本締めして完了です。
おつかれさまでした。
まとめ
ベストな玉押し位置はすぐに見つかるんですけどロックナットで固定するのが難しい。
まぁ何度もやり直せばそのうちコツが分かってきます。
気をつけることは「ガタつきは絶対NG」です。
若干ゴロゴロしてたほうがマシ。
隙間があると走行中、段差などの衝撃で玉押しに傷が入る“虫食い”になってしまうためです。
適切な玉当たり調整をして快適に乗れるようにしましょう!