シマノ製のチェーンって、グレードがいっぱいあって分かりづらくないですか?
チェーンを交換するときに、どれを選んだらいいのか毎回迷ってしまいます(汗)
そこで今回は「グレードによる違い」や「どんな表面処理をしているのか」ついてまとめました。
チェーンの互換性について
チェーンの互換性については、下の画像が非常にわかりやすいかと思います↓
基本的に変速段数が合っていれば使用することができます。
例えば、シマノかスラムの9速コンポなら、9速用の『HG93』チェーンでOKという具合です。
ただし「TIAGRA 4700シリーズ」のように「このチェーンを使ってくれ」と指定されている場合もあるので、気になるならシマノの『互換情報』をチェックしてみるといいでしょう。
グレードの違いは表面処理にあり!
シマノ製のチェーンは、グレードによって格付けされていますが、変速性能や耐久性に大きな違いはありません。
では「グレードによって何が違うのか?」というと、プレートの「表面処理方法」が異なります。
まぁ、簡単に言ってしまうと「錆に強いかどうか」が主な違いということになります。
- SIL-TEC
- 亜鉛ニッケルメッキ
- シルバー系の仕上げ
- グレー系の仕上げ
- ブラウン系の仕上げ
上に行くほど、グレードが高く、錆に強い加工となっています。
「グレー系の仕上げ」は錆びやすい
下位グレードに施されている「グレー系の仕上げ」は、雨の日の走行後に放置すると、すぐに「茶色い錆」が発生してしまうので、わたしは選択肢から外しています。
この錆は「パーツクリーナー」等を使って落としても、まだら状の跡が残ってしまい、非常に見栄えが悪くなります。
なので、安くても「グレー系の仕上げ」は選ばずに、「SIL-TEC」か「亜鉛メッキ」にすることをおすすめします。
アウターとインナーで表面処理が違う場合がある
グレードによっては「アウタープレート」と「インナープレート」で、異なる表面処理がされていることがあります。
この点も含めて、よく仕様を確認してから購入する必要があります。
11速用チェーン
モデル名 | グレード | 重量 | 表面処理 | 価格 |
---|---|---|---|---|
CN-HG901 | DURA-ACE | 247g | SIL-TEC | ¥4,779 |
CN-HG701 | ULTEGRA | 257g | SIL-TEC | ¥4,092 |
CN-HG601 | 105 | 257g | グレー/SIL-TEC | ¥3,180 |
『CN-HG901』は、プレートとローラーに「SIL-TEC」が施されています。また「中空ピン」を採用しているので少しだけ軽量です。
『CN-HG701』は、アウターとインナーの両方に「SIL-TEC」が施されています。もう少し値段を抑えてくたらベストバイだったかな。
『CN-HG601』は「SIL-TECなのに安い!」と思われますが、実はインナーだけ「SIL-TEC」。アウターは「グレー系の仕上げ」という落とし穴があります。
わたしなら上位グレードの『CN-HG701』か、予算が許せば『CN-HG901』を購入します。
10速用チェーン
他の変速チェーンは「ロード/MTB」共通ですが、10速用だけ特殊でして、ロード用とMTB用に分かれています。
ロード用 10速チェーン
モデル名 | グレード | 重量 | 表面処理 | 価格 |
---|---|---|---|---|
CN-6701 | ULTEGRA | 267g | 亜鉛メッキ/グレー | ¥2,780 |
CN-6600 | ULTEGRA | 275g | 亜鉛メッキ/グレー | ¥2,580 |
CN-4601 | TIAGRA | 277g | グレー/ブラウン | ¥2,574 |
『CN-6701』と『CN-6600』は、クランクが「ダブル」か「トリプル」かの違いがあります。
- 2×10速のダブル用なら『CN-6701』
- 3×10速のトリプル用なら『CN-6600』
それから『CN-6701』だけインナープレートが「肉抜き加工」されているので見た目が良好です。
『CN-4601』は、上位グレードとの価格差があまりないので、あえてこれを選ぶ理由はないと思います。
MTB用 10速チェーン
モデル名 | グレード | 重量 | 表面処理 | 価格 |
---|---|---|---|---|
CN-HG95 | Deore XT | 268g | SIL-TEC | ¥2,476 |
CN-HG54 | SLX | 273g | グレー/ブラウン | ¥2,151 |
『CN-HG95』には、ロード用10速チェーンにない「SIL-TEC」加工が施されています。
下位グレードである『CN-HG54』との価格差を考えると『CN-HG95』一択です。
TIAGRA 4700シリーズの互換性
現行の「TIAGRA 4700シリーズ」は、ロード用でありますが、MTB用のHG-Xチェーンを使用します。
アウターリンクの「面取り形状」が違うことがわかるでしょうか。
これが変速に影響するため、4700シリーズは『CN-HG95』か『CN-HG54』を使用しなければなりません。
『CN-6701』でも変速できないことはないのですが、うまく歯にかからなかったり、駆動音がうるさくなるなど、変速性能が落ちてしまうことがあるので「4700シリーズ」ユーザーは注意してください。
ロード用にCN-HG95が使える
ロードの10速用なら『CN-6701』が適当ですが、結論から言ってしまうと『CN-HG95』もロード用として機能します。
チェーン幅やコマ間隔はロード用と共通なので、実は問題なく使用することが可能です。
『CN-HG95』は、なんといってもアウターとインナーの両方に「SIL-TEC」加工を施しているのが魅力的です。
しかも『CN-6701』は「肉抜き加工」しているにもかかわらず『CN-HG95』との重量差はカタログ値で1グラムしかありません。
シマノの認めていない組み合わせにつき自己責任になりますが、わたしならロード用10速チェーンは『CN-HG95』を選択します。
9速用チェーン
モデル名 | グレード | 重量 | 表面処理 | 価格 |
---|---|---|---|---|
CN-HG93 | ALFINE | 299g | 亜鉛メッキ/グレー | ¥2,677 |
CN-HG53 | CAOREO | 299g | グレー/ブラウン | ¥2,390 |
下位グレードに『CN-HG53』というものがありますが、実売価格にほとんど差がないので、上位グレードの『CN-HG95』がおすすめです。
9速用チェーンは、10速用と違って、シンプルで選びやすいですね(笑)
8/7/6速用チェーン
モデル名 | グレード | 重量 | 表面処理 | 価格 |
---|---|---|---|---|
CN-HG71 | ACERA | 324g | シルバー/グレー | ¥2,178 |
CN-HG40 | TOURNEY | 324g | グレー/ブラウン | ¥1,267 |
『CN-HG71』は、コネクティングピンが「クロマイジング処理」なのと「シルバー系の仕上げ」がされているので錆に強くなっています。
『CN-HG40』の価格は魅力的ですが、予算が許せば『CN-HG71』を買うべきです。
まとめ
シマノ製チェーンのグレードによる違いは「表面処理方法」にあります。
変速性能や耐久性に大きな違いはなく「錆に強いかどうか」が主な違いとなります。
せっかく交換すなら、錆びにくい『SIL-TEC』か『亜鉛メッキ』加工されたものがおすすめです。
実売価格を調べてみると、上位グレードとの差は数百円程度のものが多いので、あえて下位グレードを選ぶ理由はありません。
それにメンテナンスをサボりがちな人ほど、上位グレードのものにしたほうが、錆にくいので最終的に長持ちします。