あ~、やってしまったなー。
DAHON K3のフレームにかなり目立つ傷を付けてしまいました(泣)
今回はこの傷を補修したので、その手順を画像つきで紹介していきます。
チェーンルブがフレームを直撃!
チェーンルブを使った後に、フレームの上で蓋をしめようとしたら、手から滑って落としてしまった・・・
落ちたスプレー缶は見事、K3のフレームを直撃!我ながら馬鹿だな~(汗)
傷というより塗装が割れたみたいな状態、塗装の下にあるアルミが見えてしまっています。
補修の流れ
- STEP1下地処理耐水ペーパーを使って傷の段差を滑らかにする
- STEP2傷をパテで埋めるうすづけパテを使って凹みを埋める
- STEP3プラサフを吹くプラサフという下塗り塗料で密着力を高める
- STEP4スプレーで塗装するカラー塗装。重ね塗りで仕上げる
- STEP5コンパウンドで磨く完全乾燥後に液体コンパウンドで磨く
今回は大きく分けて5つの工程を行ったので順番に紹介していきます。
今回使用したアイテム一覧
- シリコンオフ
- プラサフ
- トヨタ 202 ブラック
- コンパウンド用スポンジ
- 液体コンパウンドセット
- 耐水サンドペーパー
- うすづけパテ
- マスキングテープ
「シリコンオフ」はソフト99のチビ缶120mlで十分間に合いました。「プラサフ」と「塗装スプレー」は、やり直すことも考えて300mlはあったほうがいいかも。
「パテ埋め」から「塗装」までに使用した耐水サンドペーパーの型番は、「600-800-1000-1500-2000番」になります。全部で大体5千円くらいの出費となりました。
手順1. 下地処理
まず、塗装をする前に傷の“下地処理”をしていきます。
素人は一発でうまくいくはずもないので、納得がいくまで繰り返し磨いて凹凸をなくしていきます。多少傷の周囲を研磨しても、あとで塗装するから問題はありません。
フレームを洗車して綺麗にする
本当は自転車全体を洗車したほうがいいのだと思いますが、面倒だったので傷周辺だけを水拭きして綺麗にしました。
準備するもの
“水研ぎ”するので必ず「耐水タイプ」のサンドペーパーを用意してください。
それから「マスキングテープ」も忘れずに。
800番の耐水ペーパーで磨く
800番の耐水ペーパーを使って、傷の段差を滑らかにしていきます。
マスキングテープはこの段階ではとくに必要なかったかも(汗)
水研ぎをする
サンドペーパーに水につけて傷部分を慎重に磨いていきます。
サンドペーパーの折り目を丸めるようにして、傷の段差に当て、少しずつ磨いていきました。
途中経過・・・まだまだですね。
段差がなくなればOK
段差が無くなったのでこのあたりでやめておきます。
ちょっと丁寧にやりすぎたかも。どうせ塗り直すからもっと大雑把に磨いても問題なかったと思います。
手順2. 傷をパテで埋める
シリコンオフで油分を落とす
パテを盛る面を綺麗に磨いたら、ソフト99の「シリコンオフ」という脱脂剤を用いて表面に残った削りカスや油分をきれいに取り除きます。傷部分にスプレーを吹いて綺麗な布で拭き取ればOK。
油分が残ったままだと、仕上がりが悪くなるばかりか、せっかく盛ったパテがはじかれて後からはがれ落ちる原因にもなります。
うすづけパテを用意する
傷の深さが0.4mmほどだったので、深さ2mmまで対応の「うすづけパテ」を用意しました。
パテ板とヘラを使って塗る
パテ板がなかったので適当なプラスチックをパテ板として代用。ヘラはパテに付属してきたものを使用します。
凹みが埋まるまで盛り付けたら、硬化するまでそのままの状態で放置します。
少し緩めのパテのようで薄く均等に塗るのが難しかった。どうしても少し厚盛りになってしまいますが、あとで削るから問題はありません。
ライトを当ててみる
盛ったパテにライトを当てるとやると凹凸が見やすくなります。
凹みがあったらもう少し厚く塗ったりすることができます。
うすづけパテの乾燥時間
説明書によると、うすづけパテの硬化時間は約1時間(20℃)らしいのですが、これは本当に薄~く塗った場合の硬化時間だと思われます。
私は一晩放置して乾燥させました。半日から1日乾燥させれば問題ないと思います。早く次の作業を進めたいところですが、盛り直しのリスクがあるのでグッと我慢して完全乾燥を待ちましょう。
表面をなめらかに整える
説明書によると320番→600番を使えとありましたが、少し怖かったので600番からはじめて800番→1000番と上げていきました。ここも水研ぎです。
削り過ぎたらパテを盛り直す
角の研磨が難しい(汗)削りすぎて下のアルミが見えてしまったのでパテを盛り直しました。
それからパテ周辺に白い磨き跡ができていますが、これは塗装で隠せるので問題ありません。
盛り直したパテを乾燥させて、さらに磨いたら完成です。指でなでても段差がわからないくらいに仕上げました。
下地見えたり、凹みがある場合は、何回も盛り直して磨き直しすることで、塗装後の仕上がりが違ってきます。
プラサフを吹く前の「足付け」作業
プラサフの塗装前に色々調べていると、“足付け作業”なるのものが必要らしいことがわかった。
ツルンとした光沢のある塗装面に、そのままスプレーしてしまうと、あとですぐに剥がれてしまうから「足付け作業」で塗装面に傷をつける必要があるそうだ。
600番で磨く
耐水ペーパーの600~800番を使って足付けします。
表面が曇るまで磨く
プラサフを吹く箇所全体を艶がなくなり、白っぽくなるまで磨きます。
傷は一部分だけでしたが、見た目を綺麗に仕上げるため、今回は青い線で囲った箇所すべてを塗装します。
手順3. プラサフを吹く
次に「プラサフ」というスプレーを吹いていきます。
- 下地との密着性を高める
- パテの塗料吸収を抑える
- 細かなキズを埋める
- 防錆効果
この工程を怠ってパテの上からカラーを乗せると、塗料が弾かれたり、パテが透けたり、くすんでしまうことがあるそうだ。
スプレー缶を温める
40℃ほどのお湯でスプレー缶を温めることで、以下の効果が得られます。
- 缶の内圧が上がり勢いよく吹ける
- ミストが細かくなる
- 厚塗りにならずミスを軽減
試し吹きしてから塗る
スプレーは使う前に良く振り、塗る前に必ず試し吹きをします。
要らないダンボールを用意してシュッシュッと吹き付けてください。
重ね塗りをして仕上げる
スプレーを吹くので周りは新聞紙等でマスキングしておきます。
この日は11月下旬ということもあって、少し寒かったので10~15分毎にスプレーして、計5回重ね塗りして仕上げました。
乾燥させる
乾燥したら早めにマスキングテープを剥がします。
プラサフは速乾性なので乾燥時間は30分~1時間らしいですが、私は一応3時間以上放置しました。
目立ちにくいところに境界線を作った
「元の塗装」と「新しい塗装」の境界線を目立ちにくくするため、フレームの接合部にマスキングテープを貼りました。
こちらはカーブの少し内側にマスキングして境界線が隠れてわからなくなるようにしました。
フレームの接合部やカーブしているところなど、目に入りにくいところに塗装の境界線がくるようにすることで補修した跡を目立ちにくくすることが狙いです。
ペーパーで水研ぎする
プラサフの説明書通りに1000番の耐水ペーパーで水研ぎします。
力を入れず、表面のザラザラだけを取るように滑らせながら磨いていきます。指で触ってツルツルになればOK。
手順4. スプレーで塗装をする
塗装する準備が整ったので、いよいよカラースプレーを吹いていきます!
塗装スプレーを用意する
傷の場所が単色のブラックだったのは幸いだったかも。色合わせ不要だし、元の塗装との境界線が目立ちにくいからね。
ブラックも種類がたくさんあって迷いましたが、スタンダードな?トヨタ 202を選択しました。
マスキングテープを貼る
プラサフよりも少し広めにマスキングします。
塗装するところ以外は新聞紙やビニールで覆っておきます。
画像では「マスカー」という養生ビニールを使用しています。新聞紙よりも巻きやすいから便利。
シリコンオフで脱脂する
そうそう、カラー塗装する前にシリコンオフで脱脂するのを忘れずに。
重ね塗りで仕上げる
1回目はバラ吹き
スプレー缶は、プラサフと同様に温めて、試し吹きしてから塗り始めます。
1回目はバラ吹きといって、全体に薄っすらと吹き付けます。
いきなりベタっと吹くと、油分などが残っていた場合、油分の上に乗っている塗料が浮いてしまうためです。この日は11月下旬だったので15分~20分間隔で重ね塗りしていきました。
3回目、まだ艶はなく、ゆず肌のようになっています。
5回目、最後は艶が出るまでスプレーを吹き付けます。
吹き付けすぎると垂れるので、艶が出たところはすぐに移動させて全体を塗っていきます。
1週間乾燥させる
完全に乾いてしまってからマスキングテープを剥がすと、塗装がパリッとが割れてしまうので、1時間ほど乾燥させたらテープを剥がしてください。
とりあえず、補修部分以外の周りをざっと新聞紙で囲って、天気の良い日は外に置いて置くことに。
コンパウンドで磨く場合は、1週間乾燥させる必要があるそうだ。
磨いて艶を出す
1週間かけて完全乾燥させたら、ソフト99の液体コンパウンド お試し版を使用して磨きます。
このセットに元々付いていたスポンジはもう使ってしまったので、ホルツのコンパウンド用スポンジを別途購入しています。
結構滑らかにスプレー塗装できたので7500→9800で磨くだけで綺麗な鏡面になりました。
補修前との比較
こんなに綺麗に仕上がりました!いやー、よかったよかった。
傷周辺だけを補修するよりも、広めに塗装したほうが補修跡が目立ちませんね。
それから塗装の境界線をフレームの接合部とカーブの内側にしたのは正解。おかげで補修した跡がまったくわかりません。
まとめ
- 下地処理は丁寧に行う
- シリコンオフの脱脂を忘れずに
- 乾燥時間は多めにとる
- 納得のいく下地ができてから塗装する
- スプレーは数回の重ね塗りが基本
今回はネットで情報を集めながら、はじめて「パテ埋め」から「スプレー塗装」をしてみました。
傷の研磨、パテ埋め、プラサフまでの下地処理を丁寧に行うことが仕上がりを決める、一番大事な工程だったと思います。
パテ埋めやプラサフの工程は、プロでなければ一発で決まるはずもないので、凹凸が無くなるまで研ぐかパテを盛るか状況次第で判断します。これを納得ができるレベルまで繰り返して研ぐことで、塗装したときに綺麗な仕上がりとなります。
今回使った補修アイテムはこちら↓