ドライ系チェーンルブは、近年ますます人気が高まっています。
その理由は、汚れや砂が付きにくく、洗浄が簡単でありながら潤滑効果が高いなど、多くのメリットがあるからです。
しかし、ドライ系チェーンルブには、使用する前に「知っておくべき特性」があります。
本記事では、ドライ系チェーンルブの特徴と、より効果的な注油手順について詳しくご紹介します
ドライ系チェーンルブとは
チェーンにドライ系チェーンルブを塗布すると、オイルが揮発して粘土状のワックスになります。
ワックス状になったオイルは、汚れが付着しにくく、付着した汚れもカスとなって落ちるため、チェーンを清潔に保つことができます。
このことからドライ系チェーンルブは、チェーンの汚れが気になる方や、メンテナンスの手間を省きたい方におすすめです。
ドライ系チェーンルブの特性
ドライ系チェーンルブの特性を理解するために、2つの実験を行いました。
しっかり乾燥させると効果的
カッターの刃にドライ系チェーンルブを塗布し、15分間放置。まだ半乾きの刃に食塩水をかけたところ、24時間で画像のように錆びてしまいました。
一方、一晩(8時間)放置した刃は、24時間経っても錆びていません。
このことからも分かるように、ドライ系チェーンルブは、オイルが揮発して粘土状になることで金属にしっかりと定着し、耐水性が高まります。
逆に、チェーンに注油してから、すぐに出かけてしまうと、チェーンに砂埃や雨が付着してオイルが無駄に流れてしまうため、ドライ系チェーンルブの効果を十分に発揮できない可能性があります。
2度塗りすると効果的
ドライ系チェーンルブは、2度塗りすることで本来の性能が発揮されます。
1度塗りの場合は、刃の端から徐々に錆び始めているのがわかります。
2度塗りすることで、チェーン表面に厚い膜を形成し、耐久性を高めることができます。
ドライ系チェーンルブの正しい注油手順
ドライ系チェーンルブの正しい注油手順は次のとおりです。
- チェーンをきれいに洗浄する
- ボトルをよく振る
- オイルを塗布する(1回目)
- 余分なオイルを拭き取る
- 浸透するまで10分間放置
- オイルを塗布する(2回目)
- 余分なオイルを拭き取る
- 一晩(6~10時間)放置する
ドライ系チェーンルブを塗布する前に、チェーンをよく洗浄し、脱脂することで、オイルの定着率が高まります。
次回以降、同じルブを再塗布する場合は、チェーンを洗浄する必要はありません。チェーンに追加で塗布するだけで十分です。
最強のドライ系チェーンルブは?
わたしが持っている5点のドライ系チェーンルブから、最強の1点を紹介します。
とりあえず、それぞれの性能を確かめるため、防錆テストを行ってみました。
防錆テストの結果
順位 | 商品名 | 錆びるまでの時間 |
---|---|---|
1位 | KURE チェーンルブ ドライ | 2週間以上 |
2位 | AZ チェーンルブ クリーン | 3日 |
3位 | FINISH LINE ドライ バイク ルブリカント | 2日 |
4位 | Muc-Off C3 セラミック チェーンルブ ドライ | 6時間 |
5位 | GORIX チェーンルブ ドライ | 30分 |
「GORIX」と「Muc-Off」は、乾燥させてもウェット系のようにテカテカしていて、なぜドライ系なのか謎です。
この2点は食塩水をかけるとすぐに錆びてしまい、24時間で全体が錆びだらけに…。このことからドライ系なのにウェットっぽいルブは地雷だと思われます。
一方、「FINISH LINE」、「AZ」、「KURE」の3つは乾燥すると粘土状になる典型的なドライタイプです。
このタイプは、金属によく定着し、耐水性が高まるため、食塩水をかけても錆びにくくなっています。
とくにKUREだけは別格で、2週間以上経っても錆びず、最も効果が長持ちしました。下手なウェット系よりも長持ちでビックリです。
ドライ系ならKUREが最強!
以上の結果から、わたしは『KURE チェーンルブ ドライ』をおすすめします。
チェーンオイルは、防錆性に加えて、潤滑性、浸透性、拡散性などの特性を持っているため、防錆性だけが高いからといって良いオイルとは限りません。
しかし、防錆性が高いということは、定着率も高いということなので、長期間性能を維持できるのではと個人的に考えています。
したがって、ドライ系チェーンルブをお探しの場合は、『KUREチェーンルブドライ』を買っておけば間違いありません。
ドライ系チェーンルブに求められるすべての特性を備えており、圧倒的に優れているからです。