自転車のアウターケーブルを交換する際、切断した後の先端処理はとても重要です。
適切に処理できていないと、ブレーキの効きや変速性能に悪影響を及ぼす可能性があります。
具体的には、内部が潰れてしまっている場合や、切断面にバリが残っている場合などが問題になります。
このようなケースだと、インナーワイヤーの動きが悪くなり、本来の性能を発揮できなくなることがあります。
そこで今回は、初心者の方に向けて「アウターケーブルの切り方」と「切断後の先端処理方法」をわかりやすく解説していきます。
道具の使い方から作業手順まで、丁寧に説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
アウターケーブルの構造を知ろう!
まずは、アウターケーブルの内部構造を確認しましょう。
アウターケーブルの内部はこうなってる
ブレーキ用のアウターケーブルは、金属線が螺旋状に巻かれた構造になっています。
一方、シフト用は、複数の鋼線で外側を覆う構造になっています。
金属線の内側には、ビニール製の小さな管(インナーライナー)が設けられています。
この2重構造でインナーケーブルの動きを確実に伝達できるようになっているわけです。
切断にはワイヤーカッターが必須!
アウターケーブルはこのように硬い素材で作られているため、ニッパーなどの一般的な切断工具では切断しにくい構造になっています。
そのため、アウターケーブルを適切に切断するには、専用の切断工具である『ワイヤーカッター』を使用する必要があります。
関連記事:切れ味バツグン!アウターケーブルが潰れないニパ子のワイヤーカッター
アウターワイヤーの切り方と先端処理
それでは、アウターケーブルの切断と先端処理の手順を説明します。
ワイヤーカッターで切断する
まず、ワイヤーカッターを使って、アウターケーブルを切断します。
このとき古いインナーワイヤーを中に通してから切ると、内側が潰れにくくなります。
しかし、ブレーキ用のアウターケーブルは、注意深く切断しても内部が潰れてしまうことがあります。これはアウターケーブルの構造上、避けられない現象です。
潰れた穴を整える
次に、「千枚通し」という工具を使って、潰れた部分を元の形状に戻します。
この作業だけでも穴はきれいになりますが、まだバリが残っているので危険です。このままではバリがインナーワイヤーを傷つけたり、スムーズな通りを妨げる可能性があります。
バリをヤスリで取る
「平ヤスリ」を使って、切断面のバリを丁寧に取り除きます。
こんな感じで滑らかになればOKです。
被覆をカッターで整えたら完成!
被覆にもバリが残っている場合があります。カッターやニッパーなどを使って、丁寧にそぎ落とし、切り口をなめらかに整えます。
こちらが先端処理を終えたアウターケーブルです。きれいに整えられたアウターケーブルは見ていて心地良いですね。
シフト用も同様に仕上げる
シフト用のアウターケーブルは、ブレーキ用よりも潰れにくく、バリも生じにくい特性がありますが、仕上げの方法はブレーキ用と同様です。
まとめ
- ワイヤーカッターを使って切断する
- 千枚通しを使い、内部の穴を整える
- 平ヤスリで切断面のバリを取り除く
- 外側の被覆のバリを切り落とし、整える
以上の手順で、アウターケーブルをきれいに切断し、先端を適切に処理することができます。
適切な切断とバリの除去、内部の整形など、正しい先端処理ができれば、アウターケーブルを長持ちさせ、自転車の性能を十分に発揮できるはずです。
めんどうな作業かもしれませんが、ポイントをおさえれば意外と簡単です。